カテゴリー
無料体験

7月の無料体験スケジュール

親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている。

カテゴリー
イベント

定期演奏会を開催します。

親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から
飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人がある
かも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、


カテゴリー
キャンペーン

春の入会50%OFFキャンペーン

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から
飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人がある
かも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら頑張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と
囃したからである。小使いに負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと言えた。

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

ビッグ4

この作品は1927年に発表されたアガサ・クリスティー7作目、ポアロ長編4作目、全世界を征服しようともくろむ国際犯罪組織とポアロの対決が描かれています。

解説やあとがきを見る限り、この作品の評判は決して良くないです。

中には読む価値すらない!なんて言いきっている解説者もあったりします。

私はここしばらくヘイスティングズ大尉の登場する作品を読んでなく、手元にあった本で彼の登場する作品がこのビッグ4しかなかったので、とりあえず読み進めていきました。

冒頭でヘイスティングズとポアロの再会があって、いきなり半死の男が二人の前に姿を現わし、あっという間に国際組織と対決する事態に発展し「ふんふん、なるほど」と読んでいましたが、読み進めるうちに、なんとなく違和感を覚えました。

あとで知りましたが、この作品はもともと雑誌に掲載されていた短編集を集めて一つの作品にしたらしく、二人の状況の変化が激しく、フレーズごとに登場人物も変わる為(やたら登場人物が多い訳がわかった)話にまとまりがないような感じがしました。

犯罪組織と戦っているので当然人はたくさん死にますが、ポアロとヘイスティングズも何度も命の危険にさらされます。

それどころかポアロが本当に死んでしまったので、これにはビックリ。

主人公死んだら話ここで終わるやん!

と頭のどこかで思ってはいてもスリルに走りすぎた感は否めません。

ヨーロッパ各国の首脳陣まで動員して犯人のアジトを追いつめたにしては結末があまりにあっけないし、ギリギリの瀬戸際で助けてもらった相手がロサコフ伯爵夫人とは。

最後の場面のセリフで、「引退して結婚も悪くない、、、」なんて言って、、、。

さすがにこれは、、とまあ、つっこみどころ満載の作品ですが。

全ページ通して、ポアロとヘイスティングズの厚い友情にあふれています。

そして意外な人物が2人登場します。

一人はポアロの兄アシール。もう一人がロサコフ伯爵夫人。

兄アシールの存在は「ヘラクレスの冒険」でポアロが彼の存在を明らかにしていますし、ロサコフ伯爵夫人は短編集で登場しますが、ポアロが気になる女性みたいですね。

全体的に内容は支離滅裂で、本格的推理小説ファンにはどうかと思いますが、クリスティーファンとしては初期で、家庭的に不安定な時期の作品としてこんなのもあるんだと知って損はない(多分)

あとチェスの場面が出てきますが、これはチェスの知識がないと書けないし、読んでもわからないので、その知識があるクリスティーってちょっとすごい、尊敬します。

登場人物

№1 リー・チャン・イエン(中国人)

№2 エイブ・ライランド(アメリカ人、石鹸王)

№3 マダム・オリヴィエ(フランス人、科学者)

 その秘書 イエズ・ヴェロノー(実はロサコフ伯爵夫人、宝石泥棒)

№4 クロード・ダレル(元俳優)

 その元恋人ミス・フロッシー・モンロー

ジョン・イングルズ 元公務員、中国通

シドニ・クラウザー イギリス内務大臣

デジカルドー フランス首相

アシール・ポアロ エルキュール・ポアロの双子の兄

ジョナサン・ホエィリー 元船乗り

 その使用人 ロバート・ブラント

ジョン・ハリデー イギリス人科学者

マドモアゼル・クロード、ムッシュ・アンリ №3の助手

ピエール・コンボウ ポアロの友人

メイアリング 逃げてきた男(イギリス情報部)

アーサー・ネヴィル(ヘイスティングズの変装、№2の秘書)

アップルビー アメリカ人秘書

ミス・マーティン 速記者 

ジェイムズ 従僕

ディーヴズ 従僕

ペインター 旅行家

 その甥 ジェラルド  アー・リン 従僕

クエンティン 医者

サヴァロノフ チェスの名人

 その姪 ソーニャ・ダヴィロフ

キルモア・ウイルソン 挑戦者

2021.12.4記

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

ねじれた家

この作品は、1949年に発表された原作名(Crocked House)
これはマザーグースの童謡から採られています。

その童謡はこれです。

ねじれた男がいてねじれた道をあるいていた

ねじれた男がいてねじれた道を歩いていた

ねじれた垣根で、ねじれた銀貨を拾った

男がねじれた鼠をつかまえるねじれた猫をもっていた

そしてみんな一緒に小さなねじれた家に住んでたよ。

読むかぎりで頭がねじりまくりになりそうなフレーズですが、

結婚を決意するカップルの女性宅で家主が殺害される事件が起こります。

副総官を父に持つヘイワードが父の権威を武器に犯人捜しを始めますが、彼女の家族は皆変わり者だらけです。

アリスタイドの後妻は夫よりずっと年下の猫のような女性で、長男は人柄は良いが経営能力はゼロのダメ男で、その妻は冷酷な科学者、そして今でいうミニマリスト。

次男は物静かだが感情に乏しく本の世界に浸りこんでいる世間知らずの学者で、その妻は売れない女優。。ソフィアの弟は障害があり、妹はみにくく、友達もなく、大人の世界をのぞき見して喜んでる変わり者という有様。

ソフィアは才色兼備の女性ですが、そりゃこんな家族、婚約相手に紹介したくないわって私も同感です。

一番立場の弱い後妻のブレンダが不倫相手の家庭教師と手を組んで祖父を殺害したって線でこの2人に疑惑の目が向けられます。

さらに第2,第3の事件が起きて別の犯人像が浮かびますが、父の遺産を相続したのはソフィアだったので、(犯人はソフィアか?)と私は思いましたが、真犯人は何と、、、

いやあ、意外でした。そして恐ろしい、、、

でも真犯人を知ってしまえば、誰もが怪しく思われて、かつ犯人たりえなかったのかが納得できます。

(ネタバレになりますが)

子供ゆえに単純で無邪気な殺人であるため一層不気味で恐ろしい殺人になるのですね。

童謡からイメージするとアリスタイド老人がねじれた人物と思われましたが、彼が一番まともな人間であとはソフィア、前妻の姉エディス.デ.ハヴィランドなのです。

だからアリスタイド老人はソフィアに跡を継がせて家族を守ろうとし、エディスはジョゼフインを連れていったのです。

この作品は映画化されているので映画も観られると、映像でも味わえるのでおすすめです。

ただどちらも後でのおどろおどろしい感じはぬぐえません(笑)

小説は最後が軽く、明るいのでその分ましかも、、、

映画は車が崖に突っ込んでドッカーン、、、ちょっとあっけない

この作品はアガサ・クリスティーが選んだべすと10の中の一つです。

犯人が意外な人物なので本格的推理小説を好む人には評価が分かれるかもしれませんが。

実際、子供の殺人事件って昔でもあったと思います(言わないだけで)

雨の週末、どこにも出かける予定がない時、一人で家にこもりたい時、じっくり読むとはまってしまいそうな、少しねじれた!?アガサ・クリスティーの世界をどうぞ堪能して下さい。

チャールズの父の名言

殺人犯というのは根っからいい人も悪くない。人殺しは必要なことなんだ。何か隠してる人間というものは思う存分しゃべれない。

登場人物

主人公 チャールズ.ヘイワード 外交官

その父 ロンドン副総官

父の部下  タヴァナー 主任警部

      ラム   部長刑事

富豪 アリスタイド.レオニデス (糖尿病)

後妻 ブレンダ

亡前妻の姉 エディス.ハヴィランド(残忍)

長男 ロジャー(かんしゃくもち)

長男の妻 クレメンシイ (科学者)

次男 フィリップ 

次男の妻 マグダ(女優)

次男の子供たち

 長女 ソフィア(チャールズの恋人)

 その弟 ユースティス (障害者)

  妹 ジョゼフイン(ぶさいく)

家庭教師 ローレンス.ブラウン (後妻と恋仲?)

弁護士 ゲイツキル

メイド ジャネット

毒物エゼリン 目薬の成分 アリスタイドの薬に入れて殺害

2021.12.10記

 

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

白昼の悪魔

私は後ろの本の開設から読む(悪い?)癖があって、この作品については解説者の方がベタほめで、アガサ・クリスティー作品の5本の指に入る傑作とまで断言されていたので、かなり期待して読み出しました。

確かにこの作品はおもしろかったです。

それは明るく、さっぱり爽快感に満ちていたというのとちょっと違う、題名にある悪魔という名のとおりのおどろおどろしい怖いイメージと、舞台背景のリゾート地の海辺の明るく青い海と空とのコントラストから発生する強力なインパクトに満ちた面白さだといえます。

季節は夏、イギリスの島のリゾート地のホテルには、あちこちから行楽客が集まっています。中年夫婦、家族連れや独身女性、牧師、元軍人等。

ある日、元女優が扼殺死体で発見されます。そして怪しいと思われる人物には、皆アリバイがあります。

たまたま休養に訪れていたエルキュール・ポアロが事件の解決に乗り出しますが、ポアロは事件の起きる前から何かが起きることを本能的に予測していたようです。

中年夫婦とのべって会話の中で、浜辺で寝そべっている人達を見て、「死体ですな、台の上にズラリと並んだ、まるで肉屋の店先みたいに!」と言って、婦人に「言葉が過ぎますよ!」と怒られても「忘れちゃいけませんよ。目の下のいたるところに悪事ありです。白昼にも悪魔はいるのです。」とか言って悪魔を信じる神経症の牧師と意気投合します。

犯人ですが、薬殺ということで最初は痴情のもつれでの男の犯行だと思われていましたが、犯行現場近くで麻薬が発見されたことで別の犯人像が浮かびあがったりします。ですが私は継子のリンダが怪しく思われました。女で子供ですが、態度が変で妙におどおどしてて、元女優のまま母を恨んでいましたし、(ネタバネになりますが)呪いの儀式で殺そうとしてたので。

だんだん犯人の予想がつかなくなってきたところで、ポアロがピクニックを提案したのですが、これも何でだろうとすごく意外でしたが、これには深い訳がありました。

謎がとけたとき、「さすがポアロ!」と思いましたね。

ポアロが中年婦人に話した言葉で「謎ときはジグソーパズルに似ています。ジグソーパズルにはめ込む一片、一片を集め、それをあるべき姿」にはめていくんですよ。」というセリフがありますが、これはそのとおりです。全然無関係にみえる事柄を1つ1つ完成形にむけて犯人、そしてその意外な共犯者を割り出していきました。

あっぱれ、ポアロ

ち蜜に計算された伏線、人々のセリフのひとつひとつに深い意味があり、そして美しい紺碧の海、真っ青な空、広大な自然の描写も満喫でき、鋭い心理描写とスリルに満ちた一冊です。

ただ一点、心に残ったのはまま子のリンダの事でした。まま母を呪い殺そうとまで思いつめ自殺までしようとしたリンダに対して実の父親はもう少し優しい言葉をかけるとか、心を配ってあげなかったのが残念でした。次の母親(となる人)には優しくしてもらって、楽しい生活を送ってもらいたいです。

この作品は1941年作、第二次世界大戦中に書かれた作品ですが、まったく戦争を感じさせないのどかで美しい風景が味わえます。

登場人物

アリーナ・マーシャル (元女優)

ケネス・マーシャル   リンダ(娘)

滞在客

オーデル・Ⅽ・ガードナー 夫人

エミリー・ブルースター

バリー少佐

パトリック・レッドファン  クリスチン 夫婦

ロザモンド・ダーンリー (ドレスメーカー ケネスの幼なじみ

スチーブン・レーン (牧師)

オレス・ブラッド氏

ミセスカースル レザーコム島ホテル(ジョリーロジャーホテル)のオーナー

コルゲート警部 

ウェストン警視正

ニーズドン医師

2021年10.22記

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

メソポタミアの殺人 (ネタバネあり)

この作品は、1936年発表の中近東シリーズ長編第1作で、名探偵エルキュール・ポアロが登場します。

考古学者エリック・ライドナーの妻ルイーズの付き添い役の看護婦エイミー・レザランが事件後に回想して書く形式をとっており、ご存じの方は「アクロイド殺し」を思い出されるかもしれません。

私ももしかして「あら、これは、、、、」と思いました。実際の犯人は違いますが。

遺跡発掘調査の一団である殺人事件がおこりました。それは完全な密室殺人です。そこへたまたまシリアからバグダッドへ旅行中だったポアロが地元警察に要請され事件の謎を解き明かそうとします。

私個人の感想としては、この密室殺人のトリックはかなり無理があると感じました。上から物を投げて、それで人間の頭を致命傷にし、その石を再び上に戻すなんて、よほどの名手でないと無理でしょうし、そもそも前の夫が今の夫と同一人物なんて夫婦してたら絶対わかるやろ!

それと書き手エイミーのポアロに対する評価がボロクソで、何かで読んだのですが、アガサ自身ポアロをあまり好いていなかったが、周りの者がポアロを主人公にした話をと希望するので、これだけの数の作品が生まれたとかで、ポアロファンにとっては複雑な気分です。

いろいろ難点はありますが、1930年にマックス・マローワンと再婚したアガサ・クリスティーがメソポタミアを背景にした作品ということで考古学、古代文化へのロマンを味わいたい人にはその背景でのミステリーとして楽しめる作品です。私も好きです。出た地名を地図で探して、ちょっとした机上の旅行をしている気分でいられました。

あと、ルイーズの妖婦を思わせる美しさ、それに惚れてしまう男たち、嫉妬心に燃える女性たちの心情がよく描かれていて最後まで誰が犯人かわからない、また誰もが犯人になり得るストーリーが楽しめたミステリーです。

登場人物

ライリー医師  -シーラ・ライリー(娘)

エイミー・レザラン(看護婦)この作品の書き手

エリック・ライドナー  ルイーズ・ライドナー  夫婦

ヤリミア遺跡調査員

リチャード・ケアリー (外国人建築家、美男、ルイーズと恋仲)

ラヴィニ神父 (フランス人神父)

ミス・ジョンソン (イギリス人、ライドナー博士を慕う)

マリー・マーカド ジョゼフ・マーカド (夫婦)

カール・ライター

デビッド・エモット

ウイリアム・コールマン

2021年10.15記

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

パーカーパイン登場

  1. 中年婦人の事件
  2. 退屈している軍人の事件
  3. 困りはてた婦人の事件
  4. 不満な夫の事件
  5. サラリーマンの事件
  6. 大金持ちの夫人の事件
  7. あなたは欲しいものをすべて手にいれましたか?
  8. バグダッドの門
  9. シーラーズにある家
  10. 高価な真珠
  11. ナイル川の殺人
  12. デルファイの神託

短編12作で構成されるこの作品は、事務所でパイン氏自身は動かず、彼のスタッフに指示をして問題を解決する「事務所編」とパイン氏が中東へ旅行に出、旅の途中で出くわす事件を解決する「旅行編」に分かれています。

どちらがおもしろいかと聞かれると、どちらも味わい深い作品ですが、パイン氏の統計的能力が発揮されているのは「事務所編」だと思います。

とにかく7話ともおもしろい。

それぞれに悩みを持つ依頼者がパイン氏の見事な統計学に裏打ちされた頭脳と、彼のスタッフ達の名演技によって悩みが解決され、生きる喜びを見つけていく過程がほほえましいです。

7話目でパイン氏が列車に乗り旅に出て、そこから中近東への異国情趣あふれる「旅行編」

へと場面が移ります。

旅先でパイン氏はいくつかの事件(殺人もあり)にまきこまれ、持ち前の統計的頭脳を使って解決していきます。

この旅行の話は後々ポアロが活躍する「ナイルに死す」や「メソポタミヤの殺人」に繋がっていく伏線なのでしょうか?

この後、パイン氏は表舞台には登場しません。ポアロに主役の座をバトンタッチして自身は優雅に余生を過ごしたというかお役御免となったのか、、、

ここで1つの疑問が生まれます。

「どうしてパイン氏は途中、旅に出たのか?

悩み相談を受けて、人間の永遠に満ちることのない欲望に触れ続けていくのにパイン氏はきっと疲れたんじゃないかと私は思います。

老年にさしかかったパイン氏は仕事を離れ、壮大な大地にふれたくなって出た旅先でも、持ち前の統計的頭脳は彼を事件から離してはくれません。(最後の話、デルファイの神託参照)

詠み終わった後、私には中近東の遺跡の中で、こうこうと光るオレンジ色の、今にも沈もうとする太陽を眺めているパイン氏の姿が目に浮かびます。

アガサ・クリスティーの作品の主人公中、最も出番の少なかったパイン氏ですが、彼の存在は、いぶし銀のような魅力をたたえています。

私自身も自分が悩みをかかえていたら、パイン氏に相談してみたかったです(もっとも高い相談料

はお支払いできないですがね)

2021年9.20記

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

愛の探偵たち短篇集

  1. 三匹の盲目のねずみ     ノン・シリーズ
  2. 奇妙な冗談          マープル
  3. 昔ながらの殺人事件       マープル
  4. 申しぶんのないメイド      マープル
  5. 管理人事件          マープル
  6. 四階のフラット          ポアロ
  7. ジョニー・ウエイバリーの冒険   ポアロ
  8. 愛の探偵たち         ハーリ・クイン

アガサ・クリスティーの本は100冊以上あり、まだ未読のものも多いのですが

(2021年9月現在25冊目)私の読む順としては長編小説の後に手軽に読める短編小説をはさむ事が多いです。

なかでもこの短編集は、例えばお昼休みや電車の移動中、寝る前にお茶を飲みながら、ゆったりとした

気分で読める本です。

全8作収められていて、1作目は130ページほどありますが、他は数十ページと短いものですが、

中身は長編ものに負けず劣らずの粒もの揃い。

おなじみの名探偵マープル物4作、ポアロ物策、そして短編のみ登場するハーリ・クイン物1作、

ノン・シリーズ物1作の構成ですが、脇役としてヘイスティングズ大尉、メルチェット署長もしっかり登場します。

特に1つあげるとすれば最初の「三匹の盲目ねずみ」を押したいです。

この作品は1947年にクリスティーが執筆したラジオドラマ「ねずみとり」を小説化したもので

現在世界で最も長く上演されている演劇らしいです。

寒い季節、クリスマスやお正月とかに読んでみたくなります。

登場人物全員が怪しくて、最後まで犯人の見当がつきまでんでした。

⑤の管理人事件は「終わりなき夜に生れつく」につながるシーンがあり「あっ、これどこかにあったな」と思わせてくれます。

私自身、先に読んだのが「終わりなき夜に夜に生れつく」でオカルト的気分にひたされたときだったので、次はちょっと気楽に読みたいなと思ってこの本をチョイスしましたが、これは大正解でした。

どの作品も短編ながらしっかり謎解き要素があって読者をはらはらさせます。最後、犯人がわかると「なーるほど」と期待を裏切りません。

名探偵たちの魅力が詰まった、いつでも持ち歩いて読んでみたくなるアソートチョコレートみたいな短編集,是非味わってみませんか?

 2021年9.10記

カテゴリー
アガサ・クリスティー 読書感想文

ノンシリーズ終わりなき夜に生れつく

アガサ・クリスティーの小説の中では異色の、語り手が僕(若い男性)

で進められる物語で「エッ!」って感じで読み始めました。

この男性、アルベール・カミュの作品「異邦人」の主人公ムルソーや

アンソニー・バージェスの作品「時計じかけのオレンジ」の主人公

アレックスを思わせる、基本ワルで超実存主義、世の中をなめていて(現代にもいますが)俺様が地球を回していると思ってるような男です。

ある時、ジプシーが丘という、地名からしてオカルト感ただようところで

エリーという女性に出会い、恋におちます。

その女性、実は大富豪の娘で、身分違いながらも周囲をうまくまるめこみ

2人は結婚にこぎつくという話がしばらく続きます。

この辺はちょっと退屈、つまらないなあ(よくある世間知らずのお嬢さんが悪い男に

たぶらかされて、そのうち殺されるんでしょうね、クリスティーの小説なんだから

さ!)と思いながら、このあたりで私の悪いなのですが、あとがきを読んでしまったのです。

そのあとがきに最後の30ページほどにとんでもないどんでん返しがあった、、、と書いてあったので