一回目のパーティーの出席者(計14名)
エルキュール.ポアロ
チャールズ.カートライト(元俳優)
彼のメイド テンプル
彼の秘書 ミルレー
サタースウェイト(パトロン)
バーソルミュー.ストレンジ(神経医)
彼の秘書 ミス.リンドン
メアリー.リットン.ゴア
娘 エッグ(ハーマイオニー)
オリヴァ.マンダーズ(エッグの友人)
スティーブ.バビントン(牧師)
その妻 マーガレット
アンジェラ.サトクリック(女優)
フレディ.デイカズ(大尉、競馬狂)
シンシア(アンブロジン商会の経営者、妻)
アンソニー.アスター(ウィルズが本名、女脚本家)
他
執事 ジョン.エリス
警視 クロスフィールド
大佐 ジョンソン
ミセス.ドラッシュブリッジャー
この作品は1934年刊行、「ポアロのクリスマス」で犯人の名が証されているらしいですが、私はまだ読んでないので読むのが楽しみですが、題名のとおり話の構成も第1幕「疑惑」第2幕「確信」第3幕「真相」と三部作に分かれています。
第1幕、第2幕では話が淡々と進むので、少し退屈に感じました。
ポアロが出席したパーティーで老齢の牧師が急死し、しばらく後にもほぼ同様の演出で同じく老齢の医師が
急死します。その2つの事件に関連性を信じたチャールズ、サタースウェイト、ミス.エッグの3人組が犯人を追及していくのですが、真犯人が判明してしまえば「なあんだ」と思ってしまいました。
犯人の真の目的を知ってしまうと、その為にこんな回りくどい演出をして無関係な人間を何人も殺すなんて!と私は怒りを覚えました。
こういう人のことをサイコパスと言うのでしょうか。
第3幕に入ってポアロが犯人追及に参加しだすと、がぜん話が活気づいてわくわくします。
やはりポアロの存在感はすごいです。
それとサタースウェイトがこの作品に登場します。
彼の人物像の評価に鋭い眼が光ります。
サタースウェイトとポアロのコンビのやりとりが見ものです。
それに比べると、若い女と下心みえみえの中年男のコンビのやりとりは見ててあさましいですね。
あと、この作品には読んでて「おっ」と思うようなセリフがいくつかありました。
バーソルミュー氏の持論の「事件が人に近寄ってくる。人が事件に近寄るのではない」
確かに!
ポアロの行くところには常に事件が起こりますよね。主人公だから当然といえば当然ですが。
あと、誰が言ったか忘れましたが「55才の男性は若い女に走る年なんだよ」って、ああなるほどね。
男としての最後の本能が、若い無邪気な女に向かうから、現代でもその取り合わせの不倫カップルが多いのですね、納得。
最後にポアロのセリフがチャールズ、サタースウェイト、ポアロの組み合わせを見事に表していました。
「人の頭脳は3つの種類に大別できます。まず演劇的頭脳、次にその効果に反応する頭脳、そして最後に実際的な頭脳があるのです」
この作品は特に演出を意識した作品で、劇を観ているようでした。
でも無差別殺人を「通し稽古」にするのは私は許せないです。
この犯人嫌いです。
2021.11.25記