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アガサ・クリスティー 読書感想文

ねじれた家

この作品は、1949年に発表された原作名(Crocked House)
これはマザーグースの童謡から採られています。

その童謡はこれです。

ねじれた男がいてねじれた道をあるいていた

ねじれた男がいてねじれた道を歩いていた

ねじれた垣根で、ねじれた銀貨を拾った

男がねじれた鼠をつかまえるねじれた猫をもっていた

そしてみんな一緒に小さなねじれた家に住んでたよ。

読むかぎりで頭がねじりまくりになりそうなフレーズですが、

結婚を決意するカップルの女性宅で家主が殺害される事件が起こります。

副総官を父に持つヘイワードが父の権威を武器に犯人捜しを始めますが、彼女の家族は皆変わり者だらけです。

アリスタイドの後妻は夫よりずっと年下の猫のような女性で、長男は人柄は良いが経営能力はゼロのダメ男で、その妻は冷酷な科学者、そして今でいうミニマリスト。

次男は物静かだが感情に乏しく本の世界に浸りこんでいる世間知らずの学者で、その妻は売れない女優。。ソフィアの弟は障害があり、妹はみにくく、友達もなく、大人の世界をのぞき見して喜んでる変わり者という有様。

ソフィアは才色兼備の女性ですが、そりゃこんな家族、婚約相手に紹介したくないわって私も同感です。

一番立場の弱い後妻のブレンダが不倫相手の家庭教師と手を組んで祖父を殺害したって線でこの2人に疑惑の目が向けられます。

さらに第2,第3の事件が起きて別の犯人像が浮かびますが、父の遺産を相続したのはソフィアだったので、(犯人はソフィアか?)と私は思いましたが、真犯人は何と、、、

いやあ、意外でした。そして恐ろしい、、、

でも真犯人を知ってしまえば、誰もが怪しく思われて、かつ犯人たりえなかったのかが納得できます。

(ネタバレになりますが)

子供ゆえに単純で無邪気な殺人であるため一層不気味で恐ろしい殺人になるのですね。

童謡からイメージするとアリスタイド老人がねじれた人物と思われましたが、彼が一番まともな人間であとはソフィア、前妻の姉エディス.デ.ハヴィランドなのです。

だからアリスタイド老人はソフィアに跡を継がせて家族を守ろうとし、エディスはジョゼフインを連れていったのです。

この作品は映画化されているので映画も観られると、映像でも味わえるのでおすすめです。

ただどちらも後でのおどろおどろしい感じはぬぐえません(笑)

小説は最後が軽く、明るいのでその分ましかも、、、

映画は車が崖に突っ込んでドッカーン、、、ちょっとあっけない

この作品はアガサ・クリスティーが選んだべすと10の中の一つです。

犯人が意外な人物なので本格的推理小説を好む人には評価が分かれるかもしれませんが。

実際、子供の殺人事件って昔でもあったと思います(言わないだけで)

雨の週末、どこにも出かける予定がない時、一人で家にこもりたい時、じっくり読むとはまってしまいそうな、少しねじれた!?アガサ・クリスティーの世界をどうぞ堪能して下さい。

チャールズの父の名言

殺人犯というのは根っからいい人も悪くない。人殺しは必要なことなんだ。何か隠してる人間というものは思う存分しゃべれない。

登場人物

主人公 チャールズ.ヘイワード 外交官

その父 ロンドン副総官

父の部下  タヴァナー 主任警部

      ラム   部長刑事

富豪 アリスタイド.レオニデス (糖尿病)

後妻 ブレンダ

亡前妻の姉 エディス.ハヴィランド(残忍)

長男 ロジャー(かんしゃくもち)

長男の妻 クレメンシイ (科学者)

次男 フィリップ 

次男の妻 マグダ(女優)

次男の子供たち

 長女 ソフィア(チャールズの恋人)

 その弟 ユースティス (障害者)

  妹 ジョゼフイン(ぶさいく)

家庭教師 ローレンス.ブラウン (後妻と恋仲?)

弁護士 ゲイツキル

メイド ジャネット

毒物エゼリン 目薬の成分 アリスタイドの薬に入れて殺害

2021.12.10記

 

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