1952年に発表されたメアリ.ウェストマコット名義の作品で、メアリ名義の作品は探偵ものでなく、ハーレクインものといったイメージがただよいます。
娘のセアラがスイスに旅行中、ちょっとの間女に戻ったアン。リチャードと出会い恋におち、結婚を決意しますが、それを娘に伝えるのに段取りが悪かった為、娘との関係に亀裂が生じ、親子そして相手の男性との関係が崩れていくお話です。昔も今も普通にある事ですが親子の崩れ方が半端なくすごい!
母親のアン、遊びまわっててお金そんなにあるの?メイドはいてるけど家の事ほったらかしなんでしょう。いい大人がだらしない。セアラも自分の結婚ぐらい自分で決めろよ。麻薬におぼれるのは人としてアカンやろ‼️て言うかどっちも子供すぎるやん。と、ツッコミどころ満載のこのお話、読みながらついイライラしつつも友人のデーム.ローラとしっかり者のメイドに支えられて、何とか2人の仲も修復し、最後は普通の親子に戻って読後はさわやかでした。
ほとんど女性中心の話で、男の描写が面白く、納得しました。
「60男はレコードみたいに同じ事ばかりしゃべる」
「恋をした男はしょぼけた羊」
「愛の重さ」の話ほど重く暗くなく、イライラしながらも2人の思いに共感したりとストレス解消もできた一冊です。
登場人物
アン.ブレンティス 主人公、未亡人、41才
セオラ 娘
イーディス メイド
パトリック アンの亡夫
ジェームズ.グラント大佐 アンの友人
デーム.ローラ.ホイスタブル 著述家、講演家、アンの友人、64才
(ジェラルド)ジェリー.ロイド セアラの友人
リチャード.コールドフィールド 東洋帰りの実業家
ロレンス.スティーン 大富豪の御曹司
ドーリス リチャードの妻
2022.4.25記