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アガサ・クリスティー 読書感想文

ポアロ登場(短編集)

①(西洋の星)盗難事件

ヤードリー卿夫人と不倫関係にあるグレゴリー.ロルフは夫人をゆすってダイヤを手に入れたが、ヤードリー卿がダイヤを売って生活を守ると言い出した為、ダイヤの2重強盗を企む。まんまと馬鹿にされるヘイスティンクズが怒り狂う。

②マースドン荘の悲劇

自殺の可能性を保険会社に依頼されるポアロ。自殺した男の話をヒントに夫を殺害した夫人。降霊会の演出の恐怖で夫人がボロを出す。

③安アパート事件

法外に安い家賃のアパートに入居できた若夫婦の話に興味をもったポアロ。そこは情報機関が探しているスパイの本拠でロビンソンという名だからこそ選ばれたのだ。

④狩人荘の怪事件

インフルエンザのポアロを置いてヘイスティンクズ単身ヘイヴァリングと共に行く。借金苦で叔父を殺したのは家政婦に化けた夫人。夫はアリバイあり。遺産を手にするが夫婦はその後飛行機事故で死亡。ネメシスは彼らを見のがさなかった訳。

⑤百万ドル債券盗難事件

アメリカに行く船で盗まれた債券の責任者。フィアンセの女性に相談を受けるポアロ。これはダミー。本物は別の船で一足先にアメリカに着いていた。銀行支配人が隣りの船室にひそみ、トランクの鍵をつぶして演技をしていた。お偉方の中にも犯罪者はいるのだ。

⑥エジプト墳墓の謎

発掘調査中、関係者が次々死亡。エジプト王の呪い?博士の夫人がポアロに依頼し現地に行く。博士の遺産をもらおうと代表者が次々殺してた。ポアロはオカルト信じたふり、薬飲んだふり、演技する。

⑦グランドメトロポリタンの宝石盗難事件

ホテル滞在中の夫人のネックレスが盗まれ、隣室のメイドの部屋から見つかるもこれはにせ物。ポアロ、メイドとボーイにかまをかけて彼らの指紋をとると指名手配中の2人と判明。お礼にもらった小切手でもう一度グランドメトロポリタンに行こうとヘイスティンクズを誘う。

⑧首相誘拐事件

国際会議に出席するはずの首相が行方不明。先に銃で暗殺されかかって次に誘拐されるのに疑問を持つポアロ。首相はパリでなくイギリスにいて、パリにいたのはダミー。無事首相は発見され会議に出席する。

⑨ミスターダウンハイムの失踪

ポアロ、ヘイスティンクズ、ジャップの3人がお茶の席で座りながら事件を解決できるか賭けをする。頭取ダウンハイムが家を出たきり失踪。訪問客ロウエン来るも帰ってこず、家の金庫から宝石、債券が盗難。頭取の指輪を質に入れた男が警察に暴力をふるい逮捕されるが銀行は倒産。頭取こそ逮捕された前科者だった。ポアロ、5ポンドジャップから受けとるが申し訳なく思い、今度食事に誘おうと提案する。

⑩イタリア貴族殺害事件

友人の医者の患者、イタリア貴族が殺害される。2人の客と食事した後、貴族はにせ物で客はイタリアから密命をおびてきた大使たち。執事が金を横領すべく食事のシーンを演出していた。

⑪謎の遺言書

伯父の遺言、新しい遺言書を1年以内に見つけたら全部遺産をやる。できないときは全部寄付する。ポアロに頼み遺言書を見つけ出す。専門家にまかせるのが一番と、女性が高等教育受けることの価値をポアロ誉める。

⑫ヴェールをかけた女

昔の手紙でゆすられてると訴える女性に頼まれ「法律を敵に回した仕事も気分転換になってよい」とゆする男の家にしのびこんで手紙を手に入れるが、この女は実は宝石泥棒。はいてる靴が安物でレディではないと見破る。

⑬消えた廃坑

ポアロが持つ唯一の株。鉱山の書類の持ち主の中国人が殺された事件の手柄をミラー警部にとられ、別の役員からお礼にもらった株だった。

⑭チョコレートの箱

ポアロがベルギー時代の唯一のミスをした話

殺された代議士の犯人。ポアロは彼の母に告げるが、その母に私が殺したと自供される。毒の入ったチョコレートの箱とふたの色が違うのは母が白内障だからというのがポアロは気づかなかった。

まとめ

1924年刊行のアガサクリスティ最初の短編集で全作ポアロもの。ヘイスティンクズの語り口でヘイスティンクズとポアロの掛け合いが楽しめます。2人のキャラクターがよく出ていて、後に発表される長編の原型となるストーリーがここにあります。シャーロック.ホームズを意識した作品もうかがえます。

2022.4.18記

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