ポアロの長編作「死者のあやまち」の原型となる中編小説で諸事情からお蔵入りとなり、近年になって発表された幻の作品です。
冒頭の前書き解説でこの作品の由来を知りましたが、アガサがこの庭園を深く愛していた事、この場所が他の作品「五匹の子豚」のシーンにも使われた事など書かれていてより一層この作品を理解できました。
長編の「死者のあやまち」を先に読んでいたので内容的には当然中編の方は省略された場面、人物描写も多く、読みごたえとしては長編にはかなわないですが、コンパクトにまとめられていて、これだけでも楽しめる作品だと思います。
私としては中編から長編の順で読んでみたかったなというのが本音ですが。
どちらの作品でもアガサの庭園に対する深い思いが感じられます。
2022.4.25記